前橋フィールドミュージアム

発掘調査速報!西部第一落合遺跡群(2)

前橋市文化財保護課

市文化財保護課では、市内各地で遺跡の発掘調査を行っています。
今回は「西部第一落合遺跡群(2)」の調査から、最新の情報をご紹介します。

 

遺跡の基本情報
 

遺跡名:西部第一落合遺跡群(2)(せいぶだいいちおちあいいせきぐん(2))

調査場所:前橋市元総社町749

調査期間:令和3年7月5 日~令和3年7月28日

調査原因:土地区画整理事業

主な時代:平安時代、中世

 

遺跡の概要
 

調査面積が115㎡と狭いものの、竪穴建物跡9軒、井戸2基、畠跡1面、土坑5基、ピット9基を検出しました。遺物は土師器・須恵器を中心に灰釉陶器や緑釉陶器も少量ですが出土しています。
竪穴建物跡は出土遺物から7~11世紀に帰属すると考えられます。そのうち2軒ではカマドも確認できました。畠跡(畝間3条)の覆土には5世紀末~6世紀初頭に噴火した榛名山の火山降下物(Hr-FA)を含む洪水層が見られました。土坑(5基の内2基)とピットは覆土に1108年に噴火した浅間山の火山灰降下物(As-B)混入土が含まれるため、中世の所産と想定されます。


 

 

調査区全景(上が北)

 

 

重複して検出された竪穴建物跡と井戸(南から)

 

 

カマドが確認された竪穴建物跡と畠(畝間3条)跡(西から)