市文化財保護課では、市内各地で遺跡の発掘調査を行っています。
今回は「西善福録遺跡」の調査から、最新の情報をご紹介します。
遺跡名:西善福録遺跡(にしぜんふくろくいせき)
調査場所:前橋市西善町779-1、779-2、780、946-1、946-3、946-4、946-5、947-1、947-2
調査期間:令和3年4月30 日~令和3年6月7日
調査原因:産業用地造成事業
主な時代:平安時代
平安時代末期の水田跡と、中近世以降の溝跡などを検出しました。
水田跡は、天仁元年(1108 年)の浅間山の噴火によって噴出した火山灰(As-B 軽石)下で確認されました。砂のような軽石を取り除くと、当時の水田耕作土である黒褐色の粘質土が現れました。調査区全体で水田跡を検出し、この場所は、平安時代から連綿と水田として利用されていたことが分かります。
溝跡は全てAs-B 軽石堆積後に掘削されていることから、時代は中近世以降と考えられます。平安時代水田跡の畦畔に重なるように掘削された東西・南北方向の溝跡群が見られました。なお、ドローン撮影による西善福録遺跡の解説動画をYouTubeでご覧いただけます。http://www.youtube.com/watch?v=HCFpWSFoXFI
南側調査区全景(上が西)
北側調査区全景(上が西)
南側調査区水田面・溝跡群(北から)
畦畔截ち割り断面(南から)
As-B下水田調査風景