市教育委員会では、前橋市都市計画事業元総社蒼海土地区画整理事業に伴う発掘調査を、27年にわたって行っています。
令和7年度は、6地点で調査を予定しています。
今回は、調査区6区の調査状況を報告します。
【遺跡の情報】
遺跡名:元総社蒼海遺跡群(153)6区
調査場所:前橋市元総社町地内
調査予定面積:232㎡
調査期間:令和7年12月15日~令和8年1月29日
【発掘風景】
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6区の調査は年末年始をまたぎ、厳しい環境での実施となりました。水分が凍って土にジョレンやスコップの刃が刺さらず、ツルハシで少しずつ砕きながら作業しました。
また、連日からっ風が吹き、強風や砂ぼこりに悩まされながら作業を続けました。
全景写真の撮影にはドローンを使いましたが、撮影時は幸い風が弱く、安全に撮影することができました。
【全景(上が北)】
※白線で囲っている部分:遺構
※破線で囲っている部分:かく乱(後世に遺跡が壊された部分)
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今回の調査区では、溝跡5条、土抗4基、井戸2基 ピット13基が検出されました。
【W-2とW-3】
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調査区の西では、2つの溝( W-2・W-3)が検出されました。W-2は東西方向に走り、東端は南へ曲がります。 W-2が調査区西端と当たる場所からは、宝珠(宝塔の笠の上につける飾り)と、人又は動物と考えられる骨の一部が出土しました。
W-3は南北方向へ走り、調査区の南壁と当たる場所からは、溝の両端に1基ずつ計2基の柱穴が見つかりました。これは、W-3に渡した橋の橋台跡である可能性があります。
【W-2とW-3の重複】
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今回は、W-2とW-3がほぼ同じ高さで確認されました。土の色から重複状況を観察しても、新旧を判断できなかったことから、 W-2とW-3がぶつかるところ(写真の破線で囲った部分)にサブトレンチを掘って、重複状況を断面から確認することにしました。
W-2が古いのであれば、W-3の形に土層が堆積し、逆に、 W-3のほうが古いのであれば、 W-2の方向に沿って土層が堆積していると予想しました。
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以上を踏まえ、サブトレンチの断面を確認したところ、 W-2の方向に沿って土層が堆積していました。このことから、 W-3が古く、W-2が新しいことがわかりました。
【3号土坑(D-3)】
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調査区の壁に当たるため、一部のみ検出となりましたが、本来は円形状の遺構になると考えられます。遺構の壁はほぼ垂直で、底は平らでした。断面をみると、黒っぽい土と白っぽい土が細かく交互に堆積していることが分かります。
判断基準となりうる遺物が出土しなかったため、時期や利用用途については不明です。井戸での可能性もありますが、井戸としては底が浅く湧水もないため、今回は土坑としました。
【まとめ】
今回の調査は、厳しい寒さの中での作業が続きましたが、重複する溝や、橋の支柱跡と考えられる遺構など、興味深い成果が得られました。
また、作業員のけがや事故もなく、今年度予定していた調査を無事に終えることができました。
なお、調査の実施にあたり、近隣住民や事業者の皆さまには、日頃から温かいご理解とご協力をいただきました。改めて心より感謝申し上げます。
今年度の経験を大切にしながら、来年度の調査にも引き続き取り組んでまいりたいと思います。