市教育委員会では、前橋市都市計画事業元総社蒼海土地区画整理事業に伴う発掘調査を、27年にわたって行っています。
令和7年度は、6地点で調査を予定しています。
今回は、調査区5区の調査状況を報告します。
【遺跡の情報】
遺跡名:元総社蒼海遺跡群(153)5区
調査場所:前橋市元総社町地内
調査予定面積:91㎡
調査期間:令和7年10月21日~12月11日
「発掘風景」
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同じ場所で繰り返し生活が営まれると、異なる時期の遺構が重なった状態で見つかることがあります。今回の調査区では、土層を順番に掘り下げ、遺構の重なりの状態を観察しながら調査を進めました。
この写真は、検出された「新しい遺構」2基を維持しつつ、下層に古い遺構がないか確認するために周囲を掘り下げた様子です。この際、写真右中央の「古い遺構」が見つかったため、こちらも調査のために掘り下げています。
「全景(左が北)」
※白線で囲っている部分:遺構
※破線で囲っている部分:かく乱(後世に遺跡が壊された部分)
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今回の調査区では、竪穴建物跡2軒、土坑11基、ピット(柱穴)19基、溝跡1条、粘土採掘坑1基が検出されました。
【1号住居(H-1)】
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1号住居(H-1)は、周溝が検出されました。出土した遺物などから、8世紀頃に使われたものと考えられます。
【2号住居(H-2)・不明遺構】
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2号住居は、不明遺構と重複して検出された住居です。年代を特定しうる遺物が出土していないため、使われた時期は不明です。
「不明遺構」
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「不明遺構(SX-1)」は2号住居と重複して検出された遺構で、周溝が検出されました。
竪穴住居跡などの周溝は、角が丸い四角形であることが多いですが、こちらで検出された周溝は、角度をつけて大きく曲がっています。遺構が調査区の端にあり、道路に隣接していて調査範囲を拡張できなかったことから、画像の状態で調査を終了しました。この部分にどのような機能があったのかは不明です。
「参考:元総社蒼海遺跡群(153)発掘調査2区の5号住居(H-5)」
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竪穴住居跡です。角が丸い四角形で、遺構の壁と床の境に周溝があります。
【粘土採掘坑】
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土師器や須恵器などの土器を製作するためには、材料として粘土を用意しなければなりません。土器作りに適した粘土を求めて当時の人々が地面を掘ると、今回のように採掘坑として残ります。安全管理のため除去してしまいましたが、こちらの坑には本来天井があり、地下へ袋状に広がっていたと考えられます。数度に渡り、必要な量の粘土を採掘するため、最終的な坑の形は不整形になります。
【まとめ】
今回の調査区は、今年度調査を実施した箇所のなかでは2番目に小さい面積となりましたが、往時の人々の生活の一端をうかがい知ることができる遺構を検出しました。周辺の調査結果をこつこつと蓄積することによって、元総社蒼海遺跡群全体の様相の解明につなげたいと思います。
1月20日現在、6区の調査に着手しています。
次回の報告をお楽しみに!