前橋市は非常に遺跡に恵まれた土地です。推定上野国府や蒼海城のあった元総社地区だけでなく、南部では条里制の大規模な水田跡、北部・赤城南麓では縄文時代から古墳時代にかけての保存状態のいい遺跡や古墳などを有しています。
そんな遺跡からは数多くの土器や埴輪が出土していますが、皆さんこちらの埴輪を一度は見たことがあるのではないでしょうか。
前橋市の白藤Ⅴ-4号古墳から出土した「馬形埴輪」、通称・ぐんまちゃん埴輪です。
ずんぐりした体にユーモラスな顔をしたこの埴輪は、群馬県内外の博物館などに何度も出張したことのある人気者です。
何度も出張に行く間に、埴輪も疲れてくるのか復元した石膏部分が欠けたり、色が落ちたりしてきます。この欠けや色落ちを修繕するのも文化財保護のお仕事の一つです。
今回はぐんまちゃん埴輪の前肢の部分の欠けを修理する様子をご覧ください。
①修理のために横たわるぐんまちゃん埴輪。ちょっと緊張していますね。
②今日は右前肢のこの部分の欠けを修理していきます。
③欠けの周辺をマスキングテープで保護しつつ、石膏を塗っていきます。
④塗った石膏が固まったら、形を整えてマスキングテープをはがします。前肢の欠けがきれいになおりました!
⑤石膏を塗った部分に着色をしていきます。
⑥きれいに塗りあがりました!これでまた元気に出張・展示ができます。
文化財のお仕事というと、工事現場での発掘作業などが頭に浮かぶかと思いますが、その発掘作業で出てきた遺物を修繕管理するのも文化財保護の大事な仕事です。
今後も少しずつ、文化財保護に関わる仕事について知っていただけるような記事を掲載してみたいと思います。