前橋フィールドミュージアム

発掘調査報告 推定上野国府跡(78・79・80・81トレンチ)

前橋市文化財保護課

市文化財保護課では、市内各地で遺跡の発掘調査を行っています。

今回は「推定上野国府跡(78798081トレンチ)」の調査から、令和4年度の発掘調査の結果をご紹介します。

 

【遺跡の基本情報】

遺跡名:推定上野国府跡(78798081トレンチ)

調査場所:前橋市元総社町地内

調査期間:令和46月1日~令和5年1月30日

調査原因:上野国府等範囲内容確認調査

主な時代:古代、中世

 

【遺跡の概要】

市文化財保護課では、前橋市元総社町で、推定上野国府の範囲内容確認のための発掘調査を継続的に実施しており、令和4年度も元総社町の宮鍋神社(みやなべじんじゃ)周辺で実施しましたので結果をお知らせします。この一帯では、国府に関連すると考えられる礎石建物跡が多数見つかっています。

 

78トレンチでは昨年度の調査で確認された礎石建物跡の一部が検出され、これにより礎石建物跡の全体像を把握することができました。

 

79トレンチでは古代の大溝(区画溝)の範囲を確認するための調査を実施し、区画溝を確認することができました。この区画溝は底面が二段になっているほか、部分的に細いテラス状となっていることから、何度か掘り直しをしている可能性が考えられます。

 

81トレンチは特に上野国府に関連した遺構を検出することはできませんでしたが、80トレンチにおいて、掘立柱建物跡と考えられる、布掘りとピットが検出されました。布掘りは、細長く溝を掘ることで柱を立てる位置を調整できるメリットがあります。

 

78トレンチ  礎石建物の一部(南東の角)が検出されました。

 

79トレンチ 逆台形の溝が検出されました。この溝は二段になっています。

80トレンチ  掘立柱建物跡と考えられる布掘りとピット。