市文化財保護課では、市内各地で遺跡の発掘調査を行っています。
今回は「西部第一落合遺跡群(3)」の調査から、最新の情報をご紹介します。
遺跡名:西部第一落合遺跡群(3)(せいぶだいいちおちあいいせきぐん(3))
調査場所:前橋市元総社町754、755、756、757、758、766
調査期間:令和3年9月1 日~令和3年10月28日
調査原因:土地区画整理事業
主な時代:古代、中近世
調査の結果、古代から中近世にかけての溝・堀22条、井戸6基、土坑79基、ピット266基、近世の畠跡、近世以降の道路状遺構、総社砂層の採掘坑等が検出されました。1,544㎡の調査地は、西側の台地上と東側の低地部に分かれます。
台地上で確認された溝は、ほとんどが浅く中世以降のものでしたが、断面が箱状で掘り込みが深い古代の溝が1条確認されています。低地部でも、台地縁辺部に沿って蛇行する古代の溝が2条、堀底道として使用されたと考えられる中世の溝が確認されました。土坑は台地西部に集中して検出され、長方形を呈することから中世のものと考えられます。ピットは調査区西側の台地上と調査区北側に集中して確認され、覆土に1108年に噴火した浅間山の火山灰降下物(As-B)混入土が含まれるため、中世の所産と想定されます。このうち、52号ピットからは完形の天目茶碗が出土しています。
調査区全景(上が北)
台地上(東上空から)
低地部(南上空から、蛇行する古代の溝が見える)
箱状断面の古代の溝跡(南から)
天目茶碗出土状況(52号ピット、北から)
天目茶碗