前橋フィールドミュージアム

おうちでミュージアム④

総社二子山古墳の大きな刀

前橋市総社歴史資料館

 「総社二子山古墳(そうじゃふたごやまこふん)」は、前橋市総社町植野にある前方後円墳です。現況の墳丘の大きさは90mほどで、歴代地域を治めた豪族の墓である総社古墳群の中で、最も大きな古墳です。石室は後円部と前方部の2か所にあります。後円部石室は現在崩れて中を見ることはできませんが、現状で全長は9.4m、玄室の長さが6.9mと、奈良県石舞台古墳にも匹敵する大きさです。石室の壁には、ブロックのように加工した榛名山から噴出した軽石を積み上げています。一方、前方部石室は、後円部石室と比べてやや小ぶりで、壁面には加工されていない大き目の自然石を積み上げています。

 今回ご紹介するのは、前方部石室から出土したと伝えられる「頭椎大刀(かぶつちのたち)」です。頭椎大刀とは、柄頭(つかがしら)がこぶしの形にふくらんだ刀です。この大刀は現在残っていませんが、出土時に大刀の絵図が作られ、その絵図を大正10年(1921)に前橋市立図書館で模写したものが残されています。細かな部分まで精巧に描かれ、大刀の様子を知ることができます。描かれた刀は、刃先から柄頭までの長さが141cmと非常に長いものです。また、柄頭には様々な装飾を施した金属製のパーツをいくつも組み合わせており、柄には針金状の銀の糸を巻き付けています。その形やつくり、装飾の表現は、高崎市にある「綿貫観音山古墳(わたぬきかんのんやまこふん)」の大刀とそっくりで、同様な大刀は両古墳以外からは出土していないことから、同一の刀づくり工房の作と考えられます。

展示の様子(総社歴史資料館)

 両古墳とも近い時期に造られた古墳で、6世紀後半の群馬県域で最も大きなクラスです。いずれも榛名山噴出の加工石材を積み上げた巨大な石室を設けており、副葬品にも共通性が見られる二つの古墳の主は、非常に密接した関係にあり、政治的な連携があったものと推測されます。

柄頭の比較(絵図:前橋市立図書館所蔵、観音山古墳頭椎大刀:群馬県教育委員会所蔵)